スティーズリアルコントロールC610M-SVのインプレ

バスフィッシングにおいて「万能であること」はしばしば妥協の象徴ともされますが、真に優れたバーサタイルロッドは、それぞれの釣りに対して最高の応答性を発揮し、操作性を損なうことなくアングラーにとっての“手足”となる存在です。DAIWAのSTEEZ Real Controlシリーズの一角を担う「C610M-SV」は、そんな理想を体現した一本。操縦性と実用性に極限までこだわり抜いた新たなバーサタイルロッドが、ここに誕生しました。

STEEZリアルコントロール C610M-SVの特徴

C610M-SVは、6フィート10インチ、Mパワーというベーシックなスペックながらも、単なる汎用性にとどまらない特別な仕上がりを持っています。このロッドの開発において中心となったのは、若きトップアングラー藤田京弥。彼が求めたのは、ただ何でも使えるロッドではなく、日本のフィールドにおいて最も使用頻度の高いリグやルアーに対して、常に高い操作性と快適な使用感を発揮する「真の実用ロッド」でした。

このC610M-SVが特に得意とするのは、ラインスラックを巧みに操るような釣り。トップウォーターやジャークベイトなど、ラインにテンションのオンオフが発生するルアーに対して、これまでにない操作性を発揮します。テイクバック時にしなやかにブランクが曲がり、ルアーを押し出す瞬間には高出力で飛ばす。そのキャストフィールは、必要とするパワーを削減し、その分だけキャスト精度に意識を向ける余裕を生み出します。

ブランク素材には、ダイワの誇る「SVF COMPILE-Xナノプラス」が採用されています。この素材はレジン量を極限まで削減し、カーボン繊維の密度を高めることで、軽さと高感度、そして力強い反発力を兼ね備えた特性を持っています。そのおかげで、わずかなアタリも逃さず、ルアーアクションをリアルタイムでフィードバックし、より緻密なアプローチが可能になります。

さらに、X45フルシールド構造によりキャストやフッキング時のねじれを抑え、ロッド本来のパワーを無駄なく伝達。加えてAGS(エアガイドシステム)とCWS(カーボンラッピングシステム)のガイド構造が組み合わされ、驚異的な軽量性と高感度を実現しています。その使い心地は、まるでロッドにガイドが付いていないかのような滑らかさを感じさせてくれます。

リールシートにはゼロシートオフセットトリガーを採用。手のひらに自然とフィットし、長時間の釣行でも疲れを感じさせず、ロッドとの一体感を高めてくれます。藤田が「とても実用性の高い610Mが完成した」と語るように、このモデルはすべての工程において細部まで徹底的にチューニングされ、まさに“操縦する”という表現がふさわしいロッドへと昇華されています。

STEEZリアルコントロールC610M-SVは、ベーシックな番手でありながら、その性能は決して“平均的”ではありません。アングラーの意図を正確に伝え、わずかな力で狙いを射抜くその能力は、バスロッドにおける新たなスタンダードとして、あらゆるフィールドで真価を発揮することでしょう。これはただのバーサタイルではない。真の“コントロール”を得るための一本なのです。

スティーズリアルコントロールC610M-SVのインプレ

ダイワのスティーズリアルコントロールC610M-SVのインプレを紹介します。

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